得意澹然(とくいたんぜん)失意泰然(しついたいぜん)
先日あるフラワーショップが同じ業種で2回目の倒産しました。
その経営者は花業界の風雲児といわれ、本を出したり、マスコミにも引っ張りだこでした。
どのような経営者でも、店に行列が出来て評判になったり、急激に売り上げが拡大してマスコミに登場したりして持ち上げられると気分が良いに決まっています。そこで、「自分はスゴイ」と錯覚してしまうのです。
そうして、創業当時の社会的使命(ミッション)を忘れ、自分が認められることばかりを追求するようになってしまいます。それに近いことを私も倒産の前に経験しました。
「幸運に恵まれることも、災難に遭うことも、等しく試練なのです。試練にいかに対処するかによって、人生はさらに大きく変化していくのです」
という稲盛和夫さんの言葉は肝に銘じなければなりません。
業界やマスコミでは、有名でなくても「大きいことよりもお客様のためになること」「損得より善悪を優先している」会社は世界中あちこちで小さくてもきらっと光っているはずです。
得意澹然(とくいたんぜん)とは
得意の時はあっさりしいて、
失意泰然(しついたいぜん)とは
失意のときはゆったりしている
という意味で、崔銑(さいせん、中国古代の学者)の残した言葉「六然」の最後の二つです。
(安岡正篤著「運命を創る」p72)
「あせらず、おごらず、やすまず、あきらめず」と共に実行し続けるのは難しいですが、心したいものです。
2010/10/28投稿ー2017/01/31加筆